59:針キャップ

mimic-yk2007-09-09

 船に乗って移動している。
 様々な自販機が備え付けられた、客室船のラウンジ。
 カウンター付きの食堂があるが、使っていたのは昔の事らしい。
 がらんとした厨房には機材の面影があり、ステンレスが鈍い光を放っている。
 休憩スペースは自販機の前だ。
 散らかっている。菓子パンの袋。プラスチック製のイスやテーブルが無造作に放置されている。
 テーブルの上に、縫い針の刺さったペットボトルのキャップを見付けた。
 いつの間にかA兄弟がそばにやってきていて、言う。
 「何これ」 「針キャップ」
 私は、「おんさ」に似ていると思ったが、黙っていた。
 お守り袋に入れた折れ針を、何故か持っている。ミシン針だ。
 直感めいた感覚で、先の飛んだミシン針を針キャップに近付けた。
 針は、「縫い針キャップ」の周りを衛星のように回りそうだったが、すぐに落ちてしまった。
 回りそうなのに、落ちてしまう。
 「反発してるのかな」 「針が重いんじゃないの」
 嫌なオブジェだ。


 「もっと気の利いたお守りはないかな」
 私達は磁石ではなく、ミニアチュールや、草の種を探すかも知れない。
 (夢日記,はてな夢日記)