71:タクシー
中学の見学旅行で最終見学地に来ている。
やたら天気が良い。
神社の周りに物産店が軒を連ね、その一画で機(はた)を織っている。
私とSさんとI君は興味をひかれ、見に行った。
機には濃紫色のサンプルが貼られ、3人のおばさんが店番をしながら交替で杏子色の反物を織っていた。
私達は、「いいなぁ、絹は」とか「これ、着れるの」とか思いながら暫く見ていた。
肺を悪くして弱っているおばさんが最高責任者で、偉い人のようだった。
私達は先生に忘れられ、バスに置いていかれた。
店の誰かがタクシーを頼んでくれた。
何故か5時限の体育に出なければならなくなっていて、運動着を持たされる。
暫くして、体格の良いおばさんが運転するタクシーがやってきた。
料金は3人で割り勘のようだ。
がっくりしながらタクシーに乗り込んだ。
タクシーのおばさんはハンドルさばきも軽やかにバックで大通りに入り込み、そのままバックで直進、私達は怯え上がった。
後ろ(フロント側)からリムジンがついてきて、怖いな、と思った。
見覚えのある横道を見付け、急がしく「右!右!」と怒鳴ると、おばさんはやはり軽やかに、今度は前向きで横道に逸れた。
見覚えのある建物がある。
「ここ、警察じゃん」中学はその奥だ。
タクシーを降り、何故か数学教室の窓から中へ入る。
原色をカジュアルに着こなした30代の近眼の先生が特別教室で1人、悩んでいた。
三角定規や分度器、コンパスの他に、ダイヤモンドゲームや算数セットのような模型がある。
その中の1つが計算式を模型化したもので、ぼくが作った、と先生は言った。
進行方向が決まっているが動かない模型、というようなことを言い、それを‘ホロン’と呼んだ。
私達は、少しロマンチックな感じがしたが、体育に出るのがますます面倒臭く、お土産を買うのを忘れたなぁ、と思った。
(夢日記,はてな夢日記)