55:雑居ビル
雑居ビルの上階で会議をしている。
携帯に電話が入った。場所が分からない、と言っている。
駅と吉野家が近くにあって、大丸の裏だとおしえるのだが、相手は丸井と勘違いしているらしい。
にわか雨が降りだして、曇りガラスにネオン街の光が浮かび上がった。
―ここは、どこなのだろう。新宿みたいだが吉祥寺のような感じもする見知らぬ街だ、と思った。
次の日。
昨日とは違う雑居ビルの上階に、また、居る。
そこで、仏具展をやっている。
仏壇、というものは無く、白い布を掛けた会議テーブルの上に、新作の様々な線香立てが並んでいる。
金属や陶で出来ており、活け花の入れ物位の大きさだ。
壁面を背にして置けるよう前面が若干低く、微妙なカーブを持ち、梵鐘の表面のように文様が刻み込まれている線香立ての前で、足が止まった。
鉄製?
ポケットのようだ、とも、賽銭箱のようだ、とも思った。
一緒に仏具を眺めていた友人が、床に落ちた線香の灰を拾いながら、「線香立ては、仏壇としての機能を果たさないのではないか」というようなことを言った。
「線香立てに入るのも、悪くはないな…。」
私は、仏壇など要らないではないか、と思っている。
(夢日記,はてな夢日記)