54:日向に向かない
たいして着ないうちに色褪せて様子が変わってしまった服があり、まだ着続けられるのかどうか、ブティックに相談に行った。
服は、回収され、返ってこないようだった。
お買い物券を貰う。
店の中を見ているうちに、裏口に入り込んでしまった。
赤い紐で髪を結った、紺に近い菫色の着物姿の女の人が片付けをしていて、薄暗い階段の下の箪笥から、色とりどりの、昔の着物がはみ出していた。
階段を上がると、2階は照明が明るく、作家が着物の生地に手書きで柄を描いていた。
ほとんど殴り描きだったが、色がとてもきれいだった。
生地は、楊柳綿のように微妙にプリーツが掛かっているのだが、素材は何なのか分からない。
作家は、その生地で、シャツを仕立てて着ている。何故か側でイラストや絵葉書を描いている人も居た。
それらは照明にキラキラと輝いて見え、独特の気分になったが、日向に向かないのではないか、と、私は思った。
(夢日記,はてな夢日記)