44:過去の死体/資料の移動
兵士あるいは農民の死体が、ある民家の物置から、多数発見された。
死体は外に出され、見付かった時と同じように、山積みにされた。
腐敗してはいないが土ぼこりにまみれ、ぐったりしている死体の周りに、近所の人々が集まった。
弔いをして、死体を、埋めようというのだ。
死体は、テレポーテーションとタイムスリップで現れたのではないかと、人々は話している。
どこから来たのかはっきりしないが、とにかく過去から来た、ということだけは明確らしい。
あるいは住民に気付かれなければ死体は消え、また違う場所、違う時代に忽然と現れるのではないか、と私は考える。
死体のことが頭の片隅から離れないまま、近所に新しく出来た施設を見に行った。
予備校と図書館が同じ階に入っている。
エレベーターで上階に上がり、内装が木造なのに驚いた。
通路が狭く迷路のようで、窓が無い。
幾つもある隠し扉から予備校生がひょこっと出てきて、違う教室に移動している。
自分もつられて予備校の教室に入ってしまいそうになりながら、やっと広い、図書館があるところに出た。
窓が大きく、開放的な図書館だ。
チェックのボタンダウン・シャツを着たおじさんが1人、受付で退屈そうにしている。
おじさんからパンフレットを貰った。
そしてこの施設の場所と構造が幾分か明らかになった。
―思ったより都市部にある敷地の広い何に使っているか分からない階が3つ以上ある建物…。
新しい場所に移ってきたこの古い図書館は、まだあまり人々に知られていないようだった。
私は特に調べ物があったわけではない。新しく出来た場所を見に来ただけなのだ。
図書館に辿り着いたら、死体のことは忘れてしまった。
(夢日記,はてな夢日記)