43:毛虫

mimic-yk2007-05-17

 休日。
 郭公(カッコウ)あるいは斑鳩(イカル)の鳴声が、少し離れたところから、そよ風に乗って、聞こえてくる。
 私は木陰で、眠っている。
 鳥は何かを思い付いたように、鳴いている。
 私はその声を、自分に話し掛けられているように、聞いている。どう答えようか、考えている。呼ばれているのではないが、言葉になりそうな気がする。
 光と影が、まぶたの上で、様々に移り変わる。


 「・・・・、14歳、高校1年生!」
 突然、小学生の男の子らしい怒鳴り声が聞こえて、とたんに静かになった。
 男の子は、近くでうるさく鳴いていた鳥を、黙らせたかったようだ。
 宿題の作文を書いていたらしい。小学生らしからぬ内容なのだ。


 14歳は中学生だよ、と思いながら、私は、黄色い、濡れたハンカチの塊めいた物が首元に落ちてきたのを感じた。
 ハンカチ?木の葉?アゲハチョウ?いや、これは、毛虫なんじゃないか?
 飛び起きたいが体が動かず、目覚められない。
 ―毛虫! 毛虫! あぁ、起きられない!
 鳥は遠くへ飛び去り、そよ風はやさしく、私は金縛りにあって、痺れを切らす。
 (夢日記,はてな夢日記