42:帰宅(犬を飼う)
郊外の大きなショッピングセンターで食料品を買い、ブレーキの付いていないブルーグレーの細いマウンテンバイクで坂道を登っていく。
ブレーキが無いから注意して乗る。不思議と、こぐのをやめると自然に止まるようになっている。(ただし下り坂では止まらない)
辺りは薄暗くなり始めている。真っ暗になる前に、山近くの自宅に着いた。家の側にある飲み物の自販機だけが明るい。
一人暮らしの家の中はさらに暗く、闇の中に、延長ソケットの赤いスイッチの光だけが点々と浮かび上がっている。
明かりをつけずにパソコンの電源を入れると、三面鏡のようになっているモニタが明るく点り、荒野にいるオオカミ犬の、メタリックなネイビーグレーのCGが現れた。
私はその犬を、パソコンの中で放し飼いにしているようだった。
その間に…。
同じ町に住んでいるもう1人の私が、下宿まで歩いて帰る。
2階を借りているが、玄関が大家さんと一緒だ。
玄関の戸を開けると、1階は犬だらけだった。
犬は土佐犬やブルドッグで、皆、大人しくしていたが、よく見ると、犬に良く似た毛布や縫いぐるみ、首と胴体が分かれて独立し置物のように生きているもの、毛皮の塊、等がごちゃ混ぜになっている。
そして皆、何故か、古くなった布団のような趣がある。
大家さんが炬燵にあたっていて、炬燵の上に数個の水枕がのっていた。
私達はそれを、老犬だと信じて疑わない。
この家では、年をとった老犬は水枕になってしまい、生死の境を彷徨っているらしかった。
水枕が生きている!
毛皮や毛布は水枕より若いのだと大家さんは言う。
それらは生きているようには見えなかったのだが。
(夢日記,はてな夢日記)