40:骨の山

mimic-yk2007-04-23

 埃っぽい花曇りの風が吹いて、I君の葬式を鳩が知らせた。
 公園へ出掛ける。
 池のある公園。黄水仙が、あちらこちらに咲いている。誰も居ない。
 池を覗き込むと、自分の顔が映った。
 ―これが葬式なのか?
 だが、死んだのはⅠ君なのだ。誰も居ない公園をうろつく。


 すると片隅に高さ3mほどの骨の山があり、影から黒服のⅠ君が現れた。
 「久し振り!」「あ!Ⅰ君!」
 よみがえったⅠ君は「死の番人」になったのだという。
 ―死の番人? Ⅰ君は病み上がりの魔術師や、淡々とした火葬場の職員のようだ。
 「僕は動物の魂を利用してよみがえったのだ」と、「死の番人」が言う。
 産業廃棄物めいた骨の山は、食肉用の動物のもののようだ。
 ―よみがえった?蘇生したのか? 
 私はⅠ君が不思議だった。
 動物の魂というよりは、化学変化、いや、手品でよみがえったのではないか、と思った。
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