29:夜景(投影)
黒い夜。
首都高を移動する。
ヘッドライトがヒトダマのように流れ出す。
目の前が残像だらけになる。
自分もどこかに流れ出す。
移動。
遠く、イルミネーションが、星のように散らばっている。
注視する。
光の集中する都市は有機的で、巨大な黒い虫や、癌の病巣を思わせる。
都市と都市の間に点在する光が、道のようにつながる。
星の瞬きのように時々揺らぐと、川のようにきらめく。
だが、顕微鏡で細かい物を見るようだ。
自分は暗室にいるらしい。
目が疲れて壁のスイッチを押すと、平面的な日本地図に山脈が投影され、立体的に浮かび上がった。
上から手を被せて面白がる。
地図に不釣合いなゼロ線の映像が、暗室の壁面に流れ始めた。
様々なアングル。草原の草が大きい。飛行機が大写しになるのをぼんやりと見つめる。
自分は3発の爆弾だという気がする。
地図上に自分の場所を決めようとするが、細かくてよくわからない。
場所を決められず、スイッチを消して、暗く、イルミネーションの中に溶け込む。
どこに居るかわからなくなった。
(夢日記,はてな夢日記)