29:夜景(投影)

mimic-yk2006-10-20

 黒い夜。
 首都高を移動する。
 ヘッドライトがヒトダマのように流れ出す。
 目の前が残像だらけになる。
 自分もどこかに流れ出す。
 移動。

 
 遠く、イルミネーションが、星のように散らばっている。
 注視する。
 光の集中する都市は有機的で、巨大な黒い虫や、癌の病巣を思わせる。
 都市と都市の間に点在する光が、道のようにつながる。
 星の瞬きのように時々揺らぐと、川のようにきらめく。
 だが、顕微鏡で細かい物を見るようだ。
 自分は暗室にいるらしい。
 目が疲れて壁のスイッチを押すと、平面的な日本地図に山脈が投影され、立体的に浮かび上がった。
 上から手を被せて面白がる。
 地図に不釣合いなゼロ線の映像が、暗室の壁面に流れ始めた。
 様々なアングル。草原の草が大きい。飛行機が大写しになるのをぼんやりと見つめる。
 自分は3発の爆弾だという気がする。
 地図上に自分の場所を決めようとするが、細かくてよくわからない。
 場所を決められず、スイッチを消して、暗く、イルミネーションの中に溶け込む。
 どこに居るかわからなくなった。
 
 (夢日記,はてな夢日記)