27:別世界(銀世界)
森の傍の旅館のような建物で、売れ残った着物や服、美術品や雑貨など、様々な物が売られている。倒産品のようだ。
その中に、ポジフィルムとプラスチックのチップが50枚づつはめ込まれた透明なパネルを見付ける。
誰かの作品っぽいが、名前は無い。
一枚500円位で売っているが、全体で見た方がきれいだ。
というか、売っているものの中で一番華奢できれいだ。
高そうではないが、personalな、他とは異質な感じがする。
斜めにすると、写真とは別の図が、ホログラムの様に現れる。
光を分光して作ったような色をしている。
曇り空が青く写っているフィルムと、木々の梢が写っているチップが気になったが、外すのがためらわれる。
全体の色合いが、なんとも捨てがたい。
結局外せず、全部は買えないのでそのままにしてきてしまったのだが、その中に、別の世界があるようで、いつまでも心に残った。
Aさんとオールナイト上映に行く約束で、映画館で待ち合わせ。
思っていたのと違って、原爆で眼球が飛び出てくる映画だったので、観るのをやめてしまう。
…何が観たかったのか思い出せないのだが。
駅に向かう地下道の中の商店街に、魚屋さんがある。
売れ残った貝や魚を、店の人が、片付けながらつまみ食いしている。
側溝には川(下水道?)が流れ、川の上に掛けられた平らな網に、魚屋さんが、売れ残りを積んでいく。
網の上では、売れ残った貝や魚が、めっちゃくっちゃになっている。
様々な宝石が捨てられるような感じが、少し、する。
魚貝類を全部積んだところで、店の人がその中にダイナマイトのようなものを仕込むと、一瞬にして、貝や魚は泡になり、ぶくぶくと川に流れていった。
Aさんと話したいので、話しながら歩いて帰る。
その方が映画より面白いような気がした。
地下道は、いつの間にか、地上の雪の道になっている。
話しながら、明かりの無い、雪に覆われた畑ばかりの地帯までやってくる。
目が慣れてくると、積っている雪で、夜なのに辺りは蒼く薄明るい。
目の瞳孔が開いているなー、と思う。
私達の雪を踏む音と、話し声、以外の音は聞こえない。
皆、もう、寝ているのだ。
積っているのが雪なのか…雪と泡の区別が付かないような、妙な気分で歩いた。
(夢日記,はてな夢日記)