27:別世界(銀世界)

mimic-yk2006-10-01

 森の傍の旅館のような建物で、売れ残った着物や服、美術品や雑貨など、様々な物が売られている。倒産品のようだ。
 その中に、ポジフィルムとプラスチックのチップが50枚づつはめ込まれた透明なパネルを見付ける。
誰かの作品っぽいが、名前は無い。
 一枚500円位で売っているが、全体で見た方がきれいだ。
 というか、売っているものの中で一番華奢できれいだ。
 高そうではないが、personalな、他とは異質な感じがする。
 斜めにすると、写真とは別の図が、ホログラムの様に現れる。
 光を分光して作ったような色をしている。
 曇り空が青く写っているフィルムと、木々の梢が写っているチップが気になったが、外すのがためらわれる。
 全体の色合いが、なんとも捨てがたい。
 結局外せず、全部は買えないのでそのままにしてきてしまったのだが、その中に、別の世界があるようで、いつまでも心に残った。


 Aさんとオールナイト上映に行く約束で、映画館で待ち合わせ。
 思っていたのと違って、原爆で眼球が飛び出てくる映画だったので、観るのをやめてしまう。
 …何が観たかったのか思い出せないのだが。
 駅に向かう地下道の中の商店街に、魚屋さんがある。
 売れ残った貝や魚を、店の人が、片付けながらつまみ食いしている。
 側溝には川(下水道?)が流れ、川の上に掛けられた平らな網に、魚屋さんが、売れ残りを積んでいく。
 網の上では、売れ残った貝や魚が、めっちゃくっちゃになっている。
 様々な宝石が捨てられるような感じが、少し、する。
 魚貝類を全部積んだところで、店の人がその中にダイナマイトのようなものを仕込むと、一瞬にして、貝や魚は泡になり、ぶくぶくと川に流れていった。


 Aさんと話したいので、話しながら歩いて帰る。
 その方が映画より面白いような気がした。
 地下道は、いつの間にか、地上の雪の道になっている。
 話しながら、明かりの無い、雪に覆われた畑ばかりの地帯までやってくる。
 目が慣れてくると、積っている雪で、夜なのに辺りは蒼く薄明るい。
 目の瞳孔が開いているなー、と思う。
 私達の雪を踏む音と、話し声、以外の音は聞こえない。
 皆、もう、寝ているのだ。
 
 積っているのが雪なのか…雪と泡の区別が付かないような、妙な気分で歩いた。
 (夢日記はてな夢日記