6:まどろみ砂漠 

mimic-yk2006-06-05

 一人旅に出た私が、砂漠の真ん中で途方に暮れている。
 昼間のうちに着くはずだった街が、どの方角にも見当たらない。
それなのに、緊迫感は希薄だ。
文字が読めそうなほどに明るい夜、適度に湿った爽やかなそよ風、地面はやわらかく適度に暖かい。
 空には星が輝き、暖かい砂の地面も月明かりでわずかに輝いている。
 疲労が心地良く、悪い感じや、嫌な感じが全くしない。
 
 星は目覚めているのかなぁ…。砂は眠っているのかなぁ…。と、漠然と思った。

 そして砂を布団代わりに眠ってしまおうとして、ぎょっとした。
 右足の膝から下が、黒く、壊死しようとしている。
 どうやら長時間、血が通っていなかったらしい。

 …気付かなかった!!知らずに歩き続けてしまった!

 つついてみると、神経が無い。だが、まだ暖かかった。完全には死んでいない。
 砂の上で休めていれば、だんだん元に戻ると思った。

 …明け方までには治るだろう。

 暖かく、わずかに光る砂が、心地良かった。
 そして安心して眠ってしまった。(夢日記,はてな夢日記)