1:黄色の花屋

mimic-yk2006-04-22

 駅に向かって歩いている。
 あたりは薄暗く、店は皆閉まっており、人の気配は無い。
 一軒の花屋だけが開いていて、テラスでAさんとHさんがお茶していた。


 たくさんの黄色い花々が飾られた店とその周辺だけが、街灯に照らされ、明るい。
 そしてAさんは、鮮やかなバラの花模様のツーピース、Hさんは、白いレースの花模様のワンピースを着て、やはり花柄のティーカップで紅茶を飲んでいる。私には、昭和50年代風の装いに見える。
 

 なぜ、黄色の花ばかりなのか、と聞くと、周囲の藍色の風景に映えるから、と答えた。
 私は納得して花々を眺めた。様々な黄色のグラデーションが、周囲の藍色に浮き立って見える。時が止まっているように思った。
 駅に行っても人はいないし、電車も来ないだろう。


 二人は時が動き出すまで黄色い花々を眺めながら、お茶を飲み続けるつもりなのだ。
 困ったな。いつまでもここには居られないし。
 そして黄色い花々がいよいよ明るく見え始めるのだった。(夢日記,はてな夢日記