52:劣化
湿度と曇りの日。
蒸し暑いというより、酸素が水になった分、空気が薄く、重いのだろうか?
蒸気を含んだ重たい空気で辺りが出来ている。
泥のように疲れ、朦朧(モウロウ)としながらアパートまで辿り着き、床の上に横になっていると、意識が薄らいでいく。
遠くからの足音と共に誰かがやってきて、私の耳の中に、冷たいゼリーのようなものを流し込んだ。
何か中枢の方から冷たく麻酔が効いてきて、自分は水々しく固まっていく。
それから急激に劣化して、石化してきた。
石化の直前に、私は蒸発したようだった。
気が付くと、やはり朦朧としながら、セメダインのフタを閉めている。
私を石化した人物だ。私は、憑依している。
「可哀想だから、静かに固めよう…。」と思った瞬間、意識がはっきりして、私はその人になってしまった。
人型めいたコンクリート塊が、目の前でボロボロに崩れていた。
(夢日記,はてな夢日記)